第46章

久世美月は、すでに提案書を丸暗記していた。舌を噛みそうな数字の羅列だろうと、頭の中にきっちり収まっている。

今回ここで「金融に強い才女」というキャラを立てさえすれば、芸能界でも唯一無二の“高IQ清純派”として突き抜けられる。

同系統のタレントに取って代わられる心配など、最初からない。

そのために――。

彼女は早くからマネージャーに手を回し、パパラッチを潜り込ませていた。ファンに向けて、自分の「知性が輝く最高の瞬間」を生配信させるためだ。

金融サミットの警備がどれほど厳重でも、情報のためなら連中はどこまでも潜り込む。隙なんて、見逃さない。

久世美月はスカートの裾をつまみ、か弱げに演...

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